『子どもたちは未来』シリーズ [別巻]
『乳幼児のための脳科学』

2010年12月10日発売

今わかってきた、乳幼児の神経、学習・発達のみちすじ。
斎藤公子の保育を最新の脳科学で読み解く。

刊行にあたって(企画の動機と趣旨)

この企画は、斎藤公子・小泉英明監修;『DVDブック子どもたちは未来・乳幼児の可能性を拓く』(1期と2期で構成;映像5巻+Book2冊)の別巻として刊行するもので、以下、大きく2つの要素・媒体に分けて構成されてます。

Book(菊判・上製・カラー224頁)

2010年3月27日(土)に東京女子医科大学で、財団法人生存科学研究所主催で開かれた第2回応用脳科学シンポジウム「育児と保育の脳科学ー暗黙知から形式知への挑戦ー」の記録に、シンポジストである編著者それぞれが加筆・訂正して仕上げました。

映像作品(DVD60分)

シンポジウムの場面・状況を撮影した映像のエッセンスと、2010年9月27日(月)に「斎藤公子の保育実践と乳幼児のための脳科学」というテーマで小泉英明博士にインタビューした撮影記録に、その場面場面にふさわしい『子どもたちは未来』の映像を挿入して編集。…斎藤公子と沖縄6つの保育園の貴重な実践記録から、科学として何が読み取れるか。発達心理学・脳神経学・行動発達学・保育学・教育学などの広い視座からアプローチします。

Bookの著者と内容

斎藤公子先生の保育思想が目指したもの

小泉英明[編著]
Hideaki Koizumi
(株)日立製作所役員待遇フエロー

 

幼児の脳の発達から見た保育・教育の現状と将来

多賀厳太郎
Gentaro Taga
東京大学大学院 教育学研究科教授

進化と遺伝から見た保育・教育の現状と将来

安藤 寿康
Juko Ando
慶応義塾大学文学部教授

発達コホート研究から見た保育・教育の現状と将来

安梅 勅江
Tokie Anme
筑波大学大学院 人間総合科学研究科教授

 

 

 

DVD(映像60分)の内容

監督/編集:穂盛 文子 監修:小泉 英明

脳科学者・小泉英明博士が、斎藤公子の保育思想、育児・保育・療育における「暗黙知から形式知への架橋」に挑戦、その本質に迫ります。

「応用脳科学シンポジウム」における、多賀厳太郎教授・安藤寿康教授・安梅勅江教授の基調講演と、『子どもたちは未来』のDVD1巻~5巻より、沖縄6つの保育園の子どもたちの姿を映し出しながらの、様々な分野にわたる小泉英明先生のお話を伺います。

推薦します

秋田喜代美
東京大学大学院 教育学研究科教授
日本保育学会会長

子どもたちが豊かな環境と主体的な活動の機会を保障されることによって、自己の可能性を発揮し未来の社会を築く存在となっていけるのはなぜか。そのためには何が必要なのか。挑む子どもの美しさ、年下を愛でる子どもの柔らかさ、自然に向かう子どものたくましさ…。斎藤実践DVDは人が人として生きていくまっとうさと生命力にあふれている。

本書は、その斎藤先生の理論による保育実践の真髄を、保育哲学や保育方法の解説にとどめるのではなく、人の脳活動や運動におけるリズム、遺伝、環境という発達の根源のメカニズムにまで掘り下げて、最新の科学的根拠をもって読み解いた稀有な本である。

保育の科学、子育ての科学として、新たな視座を私たちに開いてくれる。すべての子どもの可能性を信じて保育にとりくむことのことわり(理)を示し、保育者がこれから向かうべきみち(倫)を、後ろからしっかり照らしてくれる。子どもを信じる保育への熱いエールの書である。脳のトレーニングの本ではなく、だれもが読みやすい、まっとうな脳科学の本である。

一人で、同僚と、保護者と共に読み語り合うことで、一人一人が発達の神秘にふれ、未来への元気と希望をもらうことができるだろう。保育と脳科学の見事なマリアージュに祝杯をあげたい。

城間清子
沖縄こばと保育園前園長

この保育は、むずかしい保育ではない。特別な人にしかできない特別の保育でもない。基本となることをていねいにやれば、どの子も育っていく。

とくに、斎藤公子先生が大切にしていた目交(まなかい)、金魚運動、寝返り、ハイハイ。どんなに大変な生まれの子も、生後2ヶ月からのていねいな保育で、障害がとれていく過程を見てきた。これらの運動にふくまれる眼差しや、親指、しなやかな体の動きと脳との関係が科学的に解明されていけば、保育には新しい可能性が拓かれると信じている。

富岡美織
北の星東札幌保育園園長

斎藤公子先生の保育を学んでいると、「保育に科学を」というフレーズが浮かんでくる。もう骨身に染みている、という感じだ。脳科学で人間の心と身体が解明されてくるということが、保育をより真実につなげてくれる。そのことが、弱さをもって生まれた子どもたちを含めて、希望の光を当ててくれる。私たちの目指していることが真実であることは重要なことである。

私たちの「錦を織る」手仕事を、やがて科学が後押ししてくれる。その希望を信じて、願いでは終わらせない私たちの保育実践の営みは続いていく。両輪でありたい、保育と科学。

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