普及版 子どもは描く さくら・さくらんぼ 斎藤公子著

これらの絵は、その時の子どもを知るうえで貴重な資料であった。なぜなら、原始芸術に見られるようなふしぎな魅力を感じ、その時のその子どもの脳に何がどのように映っているのか。またその時の子どもの幸不幸も手にとるようにわかるからであった。

野の鳥が自由に空を翔り、その生を存分に生きて声高らかに歌うように、草や木が精いっぱい大地から水を吸い上げ、思うがままに太陽のエネルギーをその葉で受けとり、生を謳歌して美しい花を咲かせるように、幼い子ども達の脳は、血液によって栄養と酸素が充分に送られ、目や手や足などから外界の刺激を充分に受け取るたびに、彼らは思いのままに描き続ける。

筆の先を凝視するそのまなざしは真剣そのもの。彼らの手指は、あたかも脳と直結しているごとく一つの無駄もなく、失敗もない。彼らは食事よりも眠りよりも、ふしぎな外界をとらえた脳の喜びをことばと同時に手指で表現したがる。

第1章 1歳から6歳までの描画
第2章 A 男の絵が語るもの       
第3章 B 子の絵が語るもの
第4章 子どもは変わるー人間の子どものすばらしい可能性を絵にさぐる
第5章 物語の絵     
第6章 私が最後に担任した子どもたちの絵

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